「体の力が上手く抜けない・・・」
そんな風にお悩みの皆さん、まずはご自身を褒めてあげてください。自分のお身体にしっかり関心を持ち、客観的に理解できている証拠です。そもそも、そのことで体に不調をきたしていないのであれば、必ず体の力が抜けている必要はないですし、実際、そういった方も沢山いるはずです。ただ、そのことを悩みとして自覚するところまできているお身体への関心が高い皆さんは、ちょっとだけ考え方を変えてあげることで、「力を抜く」ということがご理解いただけるかもしれません。肩の「力を抜いて」、ラフな感じでよんでいただければ、幸いです。

■ 意外と難しい「体の力を抜く」とは

「もっと力抜いて～。」
このアドバイスって、自分が力を抜きにくいと自覚している人間にとっては、なかなか難しい注文だと思いませんか？場合によっては、「力抜かなきゃ」って、思うことでさらに身体に力が入ってしまったり・・・。だから、「抜かなきゃ」って考え方はやめましょう。別に抜けてなくても、大丈夫です。でも、どうしても力を抜きたいなら、こんな方法はいかがでしょうか？

皆さんは、「身体の力抜いて！脱力して～」と言われるのと、「身体に力入れて！ぐっと力入れて～」と言われるなら、どちらが簡単にできそうですか？私の場合、断然後者です。イメージも後者の方がつきやすいと思うのですが、いかがでしょうか？
体のどこの箇所でも大丈夫です。何かを握りつぶすがごとく、拳を握るのもよいですし、両肩をぐっと上がるところまで上げる（首をすくめるようなイメージ）、みたいなものもよいと思います。一緒に息も止めたりするとさらによいかもしれません。

10秒くらい力を入れ続けて、呼吸再開と共に力入れるのもやめてみましょう。そのときの身体の感覚、それが「力が抜けている」状態です。
人間の身体は、「力を入れる」ことに関しては、特に何も考えなくても、反応してくれます。一方で、「ある一定以上の大きな力を一定時間以上入れ続ける」ことは、困難です。「力を入れた」後には、必然的に「力の入らない（脱力）」状態が生まれるわけです。

■ 力が抜けないと起こること

先程、お話したように、力が抜けないからといって、絶対的に困ることはないと思います。ただ、力が抜けないということは、必要最低限以上の「力を入れて」時間を過ごしていることになるので、多くのエネルギーを消費しています。ゆっくり歩いて過ごしても全く問題のない１日を、終日小走りで過ごしているような感覚でしょうか？体力に自信のある皆さんは問題ないですが、人によっては、感じなくてもよい疲労感や、場合によっては、身体的な負傷にも繋がってしまうかもしれません。力を入れること自体は、筋肉の収縮作用としてもとらえられるので、身体の持つ柔軟性を十分に生かしきれない状態になっていると言えます。

■ 力が抜けない原因とは

力が抜けないというよりは、抜けている感覚がわからない、その感覚を
体がおぼえていないというのが、正確ではないでしょうか？ただ、先程もお話したように、力が抜けている方が、絶対的にいいというわけではないです。

■ 体の力を抜く！脱力するコツ

ご自身にとって、力を抜くこと、脱力することが、メリットになりそうであれば、その感覚をおぼえて損はないと思います。限られた身体のエネルギーを敢えて無駄使いする必要はありません。「力の抜けている、脱力できている」感覚を、「しっかりと力を入れた」後の副産物だと思って、対照的に捉えてあげてください。あとは、ご自身が、精神的に安心できる環境作りもコツと言えるかもしれません。音楽や、服装、飲み物を変えるだけでも、変化はあると思います。自分の好みに正直にセレクトして、色々試してみてください。

脱力するヨガポーズ「屍のポーズ」
数あるヨガのポーズの中でも、究極のリラクゼーションポーズと呼ばれるシャバーサナ、日本語では、「屍のポーズ」です。心身をリラックスさせるためにレッスンの最後に行うことが多いです。ポーズそのものはとてもシンプルで、仰向けです。重力を感じつつ、体が床に溶け込むような感覚を大切にしてください。

・床に仰向けの状態で横になります。
・ 両足は肩幅に広げ、手のひらを上に向けます。
・ 全身の力を抜いてリラックスします。
・目を閉じて腹式呼吸をします。
・呼吸から意識を放し、深いリラックス状態に入りましょう。
・少しずつ体に感覚や意識を戻します。
・両手を頭の上に上げて全身を伸ばします。
・腕を下ろし、ひざを立てたら、両手を使って体を起こします。
・意識がはっきりするまで、リラックスした座り方で余韻を味わいます。

--終わりに

一番良くないのは、「力を抜かなきゃ、脱力しなきゃ」という意識です。
人間の身体は、どこかのタイミングでは、必然的に脱力するようにできています。「力を入れた」後の感覚、是非確認してみてください。ちなみに、力を入れたくれても入れられないくらいの大きな運動量後のお身体で確認していただくのもよいかもしれません。ご興味ある方は、BOXING FITNESSGYM NOA
のHPも、是非ご覧ください。